「閉鎖系農業」

昨日は、友達から情報をもらって、もう20数年だか化学飼料等を使わずに畜産業をやっている、興農ファームの本田康一さんという方のお話しを聞いてきました。主にはBSE(だっけな? かみ砕いていえば、ちまたで騒がれている狂牛病)の話で、かなり勉強になりました。

そ もそも、狂牛病について、こんなに騒がれているにも関わらず、そんなに敏感に考えてなかったのだけど、今日はそれがちょっとだけクリアになりました。 BSEの場合、餌が問題で、まあ、いわゆる「肉骨粉」が元凶なわけです。草食性の牛に動物性タンパクを与えたことがそもそもの原因というか。今日聞きか じった話では、動物は、タンパク質を消化して無機物にして体内に取り込むのだけど、同族のタンパク質は、完全に無機物に分解されないまま取り込まれる場合 があって、それが遺伝子に異常をきたしたりするらしい。で、BSEの場合も、プリオンというタンパク質が異常プリオンに変質し、そのせいで運動機能に必要 な銅を体に運搬できなくなり、結果、運動機能に支障をきたし(ものが食べられなくなったり、胃の機能が低下したり、その他いろいろ)、最終的には肺炎を起 こして死んでしまうらしい。「同族のタンパク質接種」という意味では、人間の「クールー病」なんかもそうらしくって、人肉を食べる風習のある民族は、この BSEのような「海綿体脳症」ひいては「クールー病」の発生率が高くなるらしいです。

私は、農業についても、畜産についても、ぜんっぜん 詳しくないのだけど、超単純に「草食の動物に動物系の飼料を与えておかしくなるのは、そもそも当たり前なんじゃないの?」とは思ってました。人間だって、 食べられるものと食べられないものがあるし、それは動物だって植物だって一緒だろうと。単純すぎる考えかもしれないけど。生物の機能っていうのは、科学の 力のまだ及ばない次元で、ものすごくバランスがとれているものだと思うし、人間がどんなに知恵をつけたといっても、人間が人間のためにだけ、そのリズムを 勝手に変えてはいけないと思うのです。。。ツケはまわってきます。絶対に。いつか、形を変えてでも。

一言でいえば「近代農業の破綻」。そこまでいかなくても「行き詰まり」。循環系を無視したがために、たまったツケを今、そしてこれからも払わされるわけです。ま、自業自得っちゃ自業自得か。

な んだか話がだんだんあらぬ方向へいってますが、今日の講演で一番心に残った言葉が(ホントはいろいろあるけど)「閉鎖系農業」。動物、植物の生態や生理を 守って組み立てる農業のことのようです。私は、一つの農場で、全てを循環させるってことだと理解しました。単純化していうなら、牛を飼う。その牛が出す糞 は、土壌のいい堆肥になる。その堆肥を用いて作られた作物が、また牛の飼料になる。といった具合。もちろん、これは超単純化して言ったまでで、本当は間に もっといろいろな生態系が入ってきます。

そして、これって、私が究極的にやりたいことだよなぁ。。。と再確認。講演や質問タイムがあと1 時間長かったら、「私、雇ってもらえますか?」って言っちゃってたかもしれないくらい。そして、私の場合は、こういうことをまだ頭で考えてるだけで、実際 にはほぼ何も行動に移してないけど、現実に、すでに20数年前から、実行している人がいるってことを知れて、その人から直にお話しを聞くことができて、ホ ントに有意義な一日でした。。。 またこんな機会があるといいなぁ。。。