停滞だってマイナスだってアリだと思う。

日曜日の仕事帰りにラジオをつけていると、ちょうど放送されているのが「NHKカルチャーアワー」。第2放送の方です。


これがまた、不思議なくらいに、そのときにボヤッと考えていたり、気にしていることとにピッタリくるような話がされていたりするのです。


この前もそんなお話がありました。


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タンス職人と管工事の職人。


タンス職人のおうちの水道管が壊れて、管工事の人に修理を依頼。修理代1万円。
管工事の職人のうちのタンスの立てつけが悪くて、タンス職人に修理を依頼。修理代1万円。


すると、これはトータル2万円の経済活動。


ところが、タンス職人さんと管工事の職人さんがお友達で、休みの日にそれぞれのウチへいって修理したんだけど、まあ、修理代もいっしょだし、チャラにしましょう、これを仕事としちゃうと税金もかかってくるし面倒だからね、ってした場合。


経済活動としてはゼロ円。

ですが、水道もちゃんと直ってるし、タンスだって立てつけが良くなってるのです。


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また、むかしむかしのそのむかし、家族がみんなで「仕事」をしていました。

おうちで仕事をする職人が、例えばおとうさんですが、仕事をするにはご飯を食べねばなりません。ちゃんと仕事をするには、休みがもちろん必要で、おうちがキレイでゆっくりと休める場でなければなりません。仕事をする部屋だって、きちんと片づいてなくっちゃいけません。そうしてできた仕事に対して報酬がもらえました。


ご飯を作ったり、部屋をきれいにしていたりすることも、この報酬を得るために必要な「仕事」で、それはおかあさんやこどもたちが分担していたのです。だから「みんなで」仕事をしている、という意識があった。


けれども今は、仕事の場が家庭から離れてしまった。おかあさんのする仕事は「報酬」とは切り離されてしまっています。だから、経済活動の数値の中には出てこない。


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聞きながらメモしていたわけじゃないので、相当うろ覚えなのですが、、、。


でも、数値でのみ表される「右肩上がりの成長」に疑問を感じている私は、この話の中に何かヒントが隠されているような気がして。


経済活動を表す数値には出てこないのだけど、なされている仕事。
そして、数値にしない(できない)仕事がたくさんなされている方が、実は豊かなんじゃないかって。数値に出てくる仕事って、その数値に振り回されているだけなんじゃないかって。



資源に限りがある地球上では、全てが右肩上がりにいくわけはないのです。いつかは停滞。もしくはマイナスになるのです。人口だって然り。いろいろクリアしなくちゃいけない課題はあるだろうけど、現代の日本、人口が減っていって正解だと思ってます。自分たちの土地で、自分たちの食べるものをまかなえるようになってから、人口云々って言いましょう、とか思います。極論、かもしれませんが。



と、話にまとまりがないですが、私が聴いていた番組はこれでした。
   ↓
NHKカルチャーアワー
「人間を考える~学ぶということ、伝えるということ」(4)

エッセイスト・画家……玉村 豊男
(1月29日(日) - 20:00~21:00 - NHKラジオ第2)