言語獲得と言語習得

日本語教師養成のオンライン講座と並行して、地域の学区が提供してる生涯学習?カルチャースクール?の講座に「Teaching Language to Children」というクラスがあるのを友人が見つけてくれたので、これは面白そう!と受講を始めました。なんでこんな専門家向けっぽい講座が、地域の生涯学習講座にあるんだろう?と思いましたが、移民の家庭や、国際結婚の家庭などで、子供をバイリンガル環境で育てたいけど、どうしていいかわからない、という親御さんも対象にしているんだそうです。なるほろ。

これが、本当に面白い講座! 子供のクラスだけでなく、大人のクラスにも応用できそうなアイデア満載で、あれをやったらいいかも、これをやってみたらいいかも、と、目からウロコが落ちまくりです。(<笑)

と、実用メソッドも満載なのですが、たまには理論の方もやりまして、こちらは昔とった杵柄。とはいえ、私が昔学んだ情報はもうすっかり古くて、最近の研究報告なんかを読むと、ああ、今はそうなのね~と、それもまた勉強になります。

その中でも、一番、目からウロコ!だったのは、自閉症の疑いがある子供以外は、多言語環境にさらしても大丈夫!だということ。以前読んだ文献や、知人・友人から聞いた話なんかだと、多言語環境にさらされた子供は思考の発達が遅くなるから、まず母国語を獲得させ、その後、第二、第三言語を、という説が主流で、そうなのか~、そうなんだね~、気をつけなきゃね~と思っていましたが、そういう事実はない、という研究結果が出てるとのこと。

ただ、子供は、8歳か9歳くらいまでは、まだ言語の「獲得」能力があるそうなので、それ以前の年齢であれば、いつから外国語を始めても、母国語と同様の言語獲得はできるそうです。獲得の仕方も、母国語のそれとほぼ同じ。ただ、年齢、つまり、子供の興味や知識に合わせた教材の準備は必要です。母国語と同様に獲得できるから、って、赤ちゃん用の本を使って、「いないいないばあ~」なんてのを、7歳くらいの子供にやっても、あきられるだけ、かもなので。

更に目からウロコだったのは、コトバのインプットは、DVDやCDなんかのメディア教材だと、ネイティブの発音だから良いわ~と思っちゃいますが、子供にとっては、そんなメディア教材より、近くの大人の生のコトバが強烈で最大のインプットになるんだそうです。そりゃそうだね。コトバは生きてるもんねえ。

そして、8~9歳以上の年齢になると、今度は「獲得」ではなく「習得」になるので、文法の知識なんかも年齢に合わせて紹介していった方が、頭に入りやすかったりするみたいです。大人の場合は完全にそうですね。文法と語彙をベースに、あとはどれだけその外国語環境に入っていくか、行けるか、かな。

とまあ、こんなお勉強もしてます、という近況報告でした。もう、「ことば」の世界にどっぷり浸かりまくって、幸せです。

あ、ちなみに受講料は、週イチ75分×8回レッスンで、25ドル也。
ありえない!ほど安くて、中身の濃い講座です。
興味のある方、概要はこちらです。
Canyons School District : Community Education